生き方が分かる『老子入門』 後編

哲学・倫理学

・生き方が分かる。

・賢い判断が出来るようになる。

・精神的に成熟できる。

前回に引き続き、『老子入門』を解説していきたいと思います。

てんびん
てんびん

それでは、解説していこう!

無理に背伸びをしてはいけない

つまだつ者は立たず、またぐぐ者は行かず

(中略)

つまだは、つま立ちする、無理に背伸びをすること。

(中略)

またぐぐ者」とは、大股で歩く者の意。

つま立ちすると、一時的に背は高くなるが、

しかし、そのように不安定な状態を持続することはできない

大股で歩くと一時は早く進むが、

しかし、すぐに疲れて長続きしない

(中略)

世間には、自分を偉く見せようとして無理な背伸びをしたり、

功をあせって無理な歩みをする人が多い。

しかし、このような無理は、

たとえ一時的に効果をあげることはできても

けっして長続きはしない

例えば、「ダイエットで一気に30kg痩せた!」

というようなことがあったとします。

ですが、一気に痩せたということはその分リバウンドしやすいということ。

短期間のうちに、大きなストレスを感じてしまいます。

我慢していた分、お菓子を食べてしまい、

元に戻ってしまうかもしれません。

短時間で結果をあせって手に入れても、

それは一時的なものです。

それよりかは、少しずつ体重を減らしていくことが大切です。

少しずつ体重を減らすことにより、

自分のメンタルに負荷がかかりずらく、

長期的にもお菓子の食べる量を減らすことができるようになり、

リバウンドを経験しなくてすみます。

てんびん
てんびん

大切なのは短期的な利益ではなくて、長期的な利益を求めることなんだ。

慈愛・倹約・謙虚

慈、ゆえよくゆうなり、倹、故に能く広し。えて天下の先とらず。故に能く成器のちょうたり。今、慈をててまさに勇ならんとし、倹を舎てて且に広からんとし、後を舎てて先んぜんとすれば、死せん。

慈愛の心をもつからこそ、

〔人のために〕勇者となることができ、

倹約につとめるからこそ、

〔常に充ち足りて〕広く施すことができ、

世の人の先に立とうとしないからこそ、

〔それぞれの能力によって政務を分担する〕群臣の長になることができるのだ。

それなのにいま、慈愛の心を捨てて、

〔己を強大にするために〕勇者たらんとし、

倹約の心を捨てて、

〔ただ人気取りだけを目的に〕広く施そうとし、

世の人のあとになることをやめて、

〔みずから〕先に立とうとすれば、

〔たちまち困窮して〕死あるのみである』

勇気について

ただ単に、自分の利益だけを考えて勇気を出すのは、

動機として非常に弱いです。

実際に、「自分」のために目標を立てるよりも、

「他人」のために目標を立てた方が、物事の達成率は大きくなる

というような研究もあるそうです。

てんびん
てんびん

「自分」の利益よりも「他人」のことを考えた方が、結果的にうまくいくんだね。

倹約について

倹約であることは、

無限に広がる欲望に対して、打ち勝ったことを表しています

欲しいものを手に入れると、

一時的には満足します。

しかし、しばらく時間がたつと、

他の新しいものに刺激され、

満足は不満へと変わります。

それよりも、

ある程度のところで満足すれば、常に満ち足りた精神を得られます

常に満ち足りているということは、

他人に施すことができるようになるということです。

てんびん
てんびん

欲望はほどほどにしておくのがいいんだね。

世の人の後になることについて

「鋼鉄王」と呼ばれたアンドリュー・カーネギーの墓碑には、

「自分より優れた者を近づける方法を知りたる者、ここに眠る。」

と書かれています。

カーネギーは自分より優れた人物に対して、

実力を出してもらうための環境づくりを徹底しました。

本当のリーダーは、

自分が不在の時であっても、

組織がうまくいくような環境を作り出します。

自分の能力がいかに優れていようとも、

一人でできることは限られています。

それよりも、仕事を適材適所に分担したほうが、

より大きな成果を上げることができるでしょう。

てんびん
てんびん

優秀な人をを適材適所に配置する方が、自分一人で頑張るよりも、

何倍も優れた結果が生み出せるんだ。

他人のためにすることが、豊かになるための道である

聖人は積まず、ことごともって人の為にして、おのいよいよ有り、既く以って人に与えて、己れ愈いよ多し。

『得道の聖人は自身にためこまない。

何もかも他人の為にしながら、

自身はさらに心が豊かになっている

何もかも人に与えながら、

自身はさらに所有(徳)が増えている。

自分が欲しいものを手に入れても、

満足するのは一瞬だけです。

新しいものがすぐに欲しくなり、

持っているものだけでは満足できなくなってしまいます。

つまり、ものをたくさん持っていてもすぐに不満に変わり、

永続的な心の豊かさは得られません。

ものにこだわるよりも、

他人にものを与えることのほうが、

心が豊かになるということです。

てんびん
てんびん

ものにこだわるよりも、他人への貢献のほうが幸福感を上げてくれるんだ。

まとめ

欲望はほどほどにするのがよいというのが、

自分なりの結論です。

なかなか程度が分からず苦労すると思いますが、

自分なりに答えを見つけてみようと思いました。

てんびん
てんびん

最後まで読んでくれてありがとう!

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