前回に引き続き紹介するのはこの本。
それでは解説していきます。
ほとんどの人はAIによって貧しくなる
過去には技術革新によって、
多くの「人手」がカットされたことがあります。
ただ、AIはそれらとは次元が違います。
これまでは、頭のいい人や技術力のある人の仕事はさほど減らずにきましたが、
今後はそういう人たちも必要とされなくなります。
彼らとAIは、得意分野がもろに被っているのです。
野村総合研究所の研究によると、
今ある日本国内の601の職業の49%が、
2030年にはAIやロボットに取って代わられるそうです。
AIを活用することで、
余計な人件費を支払うことがなくなる経営陣が、
手にする報酬は高くなります。
一方で大半の人たちは、
AIのせいでひどく貧しくなる可能性があるのです。
完璧主義が子供たちの成長の機会を奪う
マーク・ザッカーバーグの、
「完璧を目指すよりまず終わらせろ」という言葉は有名です。
彼のような成功者は、
完璧を目指すことよりも、
70%くらい仕上がったところで一度リリースし、
不具合があればその都度、
修正すればよいと考えます。
そもそも「完成形」があるという考え方自体がナンセンスです。
どんなに周到に準備したところで、
どこかにほころびが出てきます。
ありもしない完璧を追い求めるより、
まずは70%の出来でよしとするほうが効率的なのです。
日本には完璧を求める文化があり、
子供たちは間違えることを恥ずかしいと思っています。
そのため、意見をあまり出してくれません。
一方でアメリカでは、
たいしてよくわかっていない子供でも、
どんどん意見を出します。
何か指摘されたら、
そこを改善していけばよいという考えなのです。
そのため、どちらが成長できるのは、
火を見るよりも明らかなのです。
「苦労」が美徳と思われる社会
日本人は苦労することを美徳と思う人たちが多い傾向にあります。
それが色濃く表れているデータがあります。
フランスでは約8割の妊婦さんが無痛分娩を選び、
政府がその費用を負担しています。
それに対して、日本では保険適用外で、
無痛分娩を選ぶ妊婦さんは、
6%ほどしかいません。
もちろん費用の面で無痛分娩を選ばない妊婦さんは多いですが、
それを踏まえても、フランスの13分の1という数字は極めて少ないです。
そういう、「便利」や「快適」を、
出産や子育てに求めることは、
あたかも罪深いことであるかのような
「苦労信仰」が日本に根付いているように思えてなりません。
ビジネスの世界でも同様で、
「自分たちがしてきた苦労は次の世代もするべきだ」という呪縛があります。
ところが今では、世界はグローバル化し、
多様化してきている時代です。
そのような考え方が、
昨今の「生きづらさ」につながっているのです。
まとめ
・ほとんどの人はAIによって貧しくなる
・完璧主義が子供たちの成長の機会を奪う
・「苦労」が美徳と思われる社会
本書を読んで学んだことは、
これまでのやり方では通用しなくなくなってしまう社会になってきているということです。
ビジネスでも、考え方でも、
変える必要がある場面が出てくると思います。
私たちにできることは、
日本の将来を悲観して絶望することではなく、
今のうちに自分ができることをやっておくことだと思いました。
本書では今回紹介した他にも、
・「貧乏」が頭を悪くする
・「いいブラック企業」が生き残る
・炎上を起こすのはたった1%
というような興味深い内容がありました。
気になった方は、ぜひ読んでみてください!
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