影響力の武器 人を動かす七つの原理 [ロバート・B・チャルディーニ著・社会行動研究会訳] 1

心理学・脳科学

世の中には、

どのようにすれば人は影響されるのかをよく知っている人がいます。

彼らは強力な心理学的原理を利用して、

自分の欲しいものを手に入れるために、

相手を丸め込んで要求を通そうとします。

そのように人を影響させる方法が書かれた本がこちら。

人はどういう風に影響されるのかを知っておくことで、

ビジネスを有利に運んだり、

人から騙されづらくなるでしょう。

それでは解説していきます。

高価な商品の次に売りたい商品を紹介する

人の知覚には「コントラストの原理」というものが働いています。

簡単に言うと、私たちには、

二番目に提示されるものが最初に提示されるものとかなり異なっている場合、

それが実際以上に最初のものと異なっていると考えてしまう傾向があるのです。

例えば、パーティーの最初で魅力的な人と話して、

その次に魅力的でない人と話すと、

実際以上にその人は魅力がないように見えてしまうのです。

世の中には、「コントラストの原理」を使って、

ビジネスを有利に進めようとしている人たちがいます。

例えば、自動車のディーラーです。

新しい車の売値を決めてから、

オプションを次から次へと勧めてきます。

高価な自動車の取引の後なら、

付属品に払う1万円ぐらいの額は、

取るに足らないように見えてしまいます。

そして、次から次へと紹介されるオプションを加えてしまい、

標準的な車でも最終的な価格が大きく跳ね上がってしまうのです。

「コントラストの原理」を利用することで、

追加購入品の一つひとつの金額は、

取るに足らないものだと思わせることができるのです。

客に何かを事前にプレゼントすると売り上げが伸びる

「影響力の武器」の中でも最も強力な、

「返報性のルール」というものがあります。

このルールは、他人に何か恩恵を施されたら、

自分も似たような形でお返しをしなくてはならないということです。

このルールを利用した例を見てみましょう。

ある研究では、

保険についての調査用紙とともに五ドルの小切手を「事前のプレゼント」として同封すると、

その回収率は調査用紙返送後に

五十ドルを支払うとした場合の二倍になったと報告されています。

このように相手に「事前のプレゼント」をした場合、

相手は通常なら断る要求でさえ、

借りがあると感じているため、

受け入れてしまうのです。

また、私たちの心は余計なお世話をされた場合でも、

恩義を感じてしまいます。

そのため「事前のプレゼント」が相手にとって、

要らないものであったとしても関係ないのです。

自分が譲歩すると他人も譲歩する

先ほど紹介した返報性のルールには、

自分に譲歩してくれた相手に対して譲歩でお返しする義務も生じさせます。

そのルールを使った相手にイエスと言わせるためのテクニックとして、

「譲歩的要請法」というものがあります。

たとえば、あなたがある要求を私に受け入れさせたいとしましょう。

この場合、次のようなやり方で、

私が承諾する可能性を高めることができます。

まず確実に拒否されるような大きな要求を私に出します。

私がそれを拒否した後、それよりも小さな、

あなたがもともと受け入れてほしいと思っていた要求を出すのです。

このようにすることで、

二番目の要求を自分に対する譲歩であると考えさせ、

こちらも譲歩しなければという気持ちにさせることができるのです。

そのため、二番目の要求を受け入れやすくなるのです。

まとめ

・高価な商品の次に売りたい商品を紹介する

・客に何かを事前にプレゼントすると売り上げが伸びる

・自分が譲歩すると他人も譲歩する

「影響力の武器」は日常生活においても、

よく見かけるものだと思いました。

例えば、ショッピングサイトでのポイントプレゼントは、

まさに「事前のプレゼント」です。

そのため、返報性のルールにより、

人はそれ以上の価格のモノを買おうとしてしまうのだと思います。

次回に続きます。

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